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京都精華大学 版画コースのブログです。 版画コースの授業やコース関係者の展覧会情報、様々なイベントをご紹介します。また、版画技法についても簡単な説明をしています。

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ニック・スメノフ方式ウォータレスリトグラフ

twitter(@seikahanga)でも少し紹介をしましたが、

先日行われたニック・スメノフ方式 ウォータレスリトグラフの技法行程の紹介です!

この技法を使うと、習得の難しいリトグラフの表現が簡単にできます。

参加した学生達も半信半疑。

行程の多いリトグラフの製版が10分でできる!!?

この技法は、スタッドラー社のオムニクローム108-9番柔らかいティッシュペーパー

と少しだけ限定された材料を使用しますが、身近にあるもので制作をすることができます。

【描画材料について】

ウォータレスリトグラフの描画は水溶性の描画材料を使用します。

水溶性の色鉛筆は各種ありますが、スタッドラー社のオムニクローム108-9番のみに限定されます。

また面の表現に関してはポスターカラーや水溶性インクなどが適しています。

ただしアクリルガッシュは乾燥後水に溶けなくなるため描画材料としては使用できません。

スタッドラー社のオムニクローム108-9番

【版の材料】

基本的には、金属板やシナベニヤなど平坦なものであれば何でも版として使用できます

ただしシナベニヤを版として使用する際には、表面が多孔質であるため数層のシリコーンのコーティングが必要です。

鉛筆やクレヨンの描画表現を考慮すると、アルミ板リトグラフプレートが最適です。

描画中

【製版の方法/その1】

描画材料が乾燥した後無臭クリーナーでシロップ状に薄めたシリコーンを版面に塗布し、

柔らかいティッシュでなるべく薄く全面に引き延ばします。その後ヒーティングガンで版面を熱乾燥します。

メープルシロップくらいの固さにシリコーンを薄めます。

ヒーティングガンで乾燥させる。

(ヒーティングガンを使用しなくても、しっかりと乾燥をすれば製版可能です。)

【製版の方法/その2】

熱乾燥した後、水を含ませたティッシュで版面の描画材料を入念に溶いて取り除きます。

その後、再度ヒーティングガンで版面を熱乾燥します。

【印刷の方法】

水なし平版用のリトグラフインクを使用します。軟質ゴムローラーで版にインクを盛ります。

その際非描画部分に付着したインクはローラーを素早く版面に転がすことではがれ落ちます。

繊細な描画部分もしっかりと印刷されています。

【版の保存】

印刷終了後、インクを洗い落とさずにそのままの状態で保存します。

再度印刷を開始するときはその上からまたローラーでインクを盛ります。

本当に10分で製版ができました!

明日より1回生の授業でも実習が始まります。

出来上がりはまた後日に報告します!お楽しみに