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自己紹介

京都精華大学 版画コースのブログです。 版画コースの授業やコース関係者の展覧会情報、様々なイベントをご紹介します。また、版画技法についても簡単な説明をしています。

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『銅版画』カテゴリーの投稿一覧

道具も版も

1回生の後期最初の授業は“コラグラフ
コラグラフ:「コラージュ」する版画というような意味で、版となる素材に色んな物(紙、布、糸、針金etc.)を張り付けたりして凹凸をつくりそれを刷るというもの。
ボンドやニス、ジェッソ(地塗り剤)などを筆で塗った部分もイメージになり、

ニードル等でキズをつけてイメージを作る事もできます。
版面の凹凸両方にインクをつけて刷ることができます☆
(ただ、あまり厚みがあるもの刷りにくい&プレス機に通す場合は機械を傷めてしまうのでほどほどが良いです)
作った版にインクをつけて刷る。次は構成を変え、色も変えて刷る。
というような流れで制作を進めるので一つしかできない版画となります。

また京都精華大学版画コースでは環境を考えて
主に使用する版をオフセット印刷の使用済みアルミプレートを使ってます。
<リサイクル版画とも呼んでます>
▲初日のレクチャー風景

さらに授業ではニードル(針)を自分用にオリジナルニードルを作ります。
木材を切り、針をくっ付けて(糸を巻き付ける)個々が使いやすいものとなります♪

それからコラグラフだけでなく、ドライポイント(銅版画:イメージを版にニードル等で直接引っかくようにして作る技法)も行うため、
手前、奥の学生はそれ用の銅板を下準備してます。
(四辺を金ヤスリや専用の道具で磨く
このあと版面も少し磨きます

▲版を作る時、アルミプレートなのでハサミやカッターで自由な形に切ることができます。

担当熊谷 誠先生(非常勤)
今年もよろしくお願いします!

道具がいっぱい!

以前から版画制作にはたくさんの道具や機械・設備が必要です◉といってますが今日ご紹介する銅版画はその中でも特に多いかもしれません。

まずは描画等にいる♢基本道具

右上からバニッシャー付きスクレーパ(版面の修正などに使う)
ツイストニードル(ドライポイント<銅板を直接引っかく技法>用ニードル、先が針のようになってます)
ラインエッチング(腐食法)用ニードル太線用と細線用(同じく先が針のようになっている)
ルーレット細目と荒(描画の際に版面に沢山の点をつけれる)

右奥からスクレーパー(版面を削る道具)
バニッシャー(版面を磨く道具)
連発ビュラン(版面を削って描画する道具で、一気に何本かの線が引ける)
ビュラン(版面を削って描画する道具、線は一本)

ロッカー(ベルソー)
メゾチント(版全体に無数の刻みをいれてからバニッシャーやスクレーパーでその刻みをならすようにイメージを作る技法)を制作の際に版面でこれを左右に揺らして点の集積を作る

切断機(銅板を切る)

アクアチント室(松ヤニの粉を銅版に振りかけ、熱で定着させた後腐蝕する。サンドペーパーのような面が出来る)
手前がその箱。エアーコンプレッサーで中の松ヤニの粉を均一の舞いさせる。
奥が熱処理場。

腐食室(銅版を腐食液に入れて銅をとかす)
汚れてますが換気設備はバッチリです☆

ウォーマー(グランド(防食材;コレを塗った部分は銅が溶けない)引き・インク詰め・インクふき取り作業に便利)中央の黒い物です。

銅版画用インク。油性です。

プレス機(銅版を刷る機械:上下にシリンダーが付いていて強い圧力がかかる)

電動特大エッチング用プレス機(このサイズがあるのはなかなか貴重!)

◎下準備が大事◎

ある日の講師控え室(北野先生の研究室でもある)で。
学生が一生懸命何か作業をしてたので近寄ってみると、

こんな事をしてます。
明後日.明々後日行われる銅版画のワークショップの準備をしてるそうです。
それはコチラ↓

生誕100年記念 浜口陽三展
2009.7.28(火)〜8.30(日)
和歌山県立美術館
9:30〜17:00 月曜休館
観覧料一般500円 大学生300円 高校生以下無料
Tel:073-436-8690

ワークショップ「銅版画を作ってみよう!」
講師:北野裕之(京都精華大学版画コース特任講師)
第1回8/8(土) 13:00〜16:00 第2回8/9(日) 10:00〜13:00  
対象:小学5年生〜高校3年生(家族で参加も可) 1回15名

ワークショップのためには銅板の下準備や道具の確認、
スタッフ(当日はコースの学生がお手伝いします)間のミーティングなどが重要です!

そんなこんなで彼女はプレートマーク(銅版画の特徴ともいえる刷った時にできる銅版面周囲のくぼみ)を磨いてます。
⦿美しいプレートマークが刻まれるために⦿
それにはバニッシャーと呼ばれる磨く道具。

他にも削るためのスクレーパー、描画に使うニードル・ルーレット・ビュランといったものがあります◒◓

左にあるのはロッカーといってメゾチントという技法で最初に版面にキズをつける道具です。
専門的なものがいっぱいありますね◆
どの版画制作にもこんな風に幾つかの道具が必要となってきます。

ワークショップで銅版画の中のどんな技法ををするかはお楽しみに!

緊張と贅沢

大きいサイズの作品の制作にはどんな手法でも一人でするにはとっても難しいものです。
特に初めてチャレンジする時には不安や緊張があると思います。
彼女は前回の作品の刷でどうやら上手くできなかったようで、リベンジすべく、
サイズも大きくしてTRY★
でも心配で先生に製版からアドバイスを受けていました。

そしたら他の授業で来て下さってた山内先生も加わってのスペシャル講座となりました!
嬉しさ緊張と、という感じですね^^

製版ローラーを転がしてる時は乾燥は禁物!うっかり乾いてしまった所に製版ローラーを転がすと版面に製版インクがベットリついてしまうので常に版の様子を見ていなければいけません。
先生二人の目が☆光ります☆

その横で、

黙々と銅板磨く!!