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京都精華大学 版画コースのブログです。 版画コースの授業やコース関係者の展覧会情報、様々なイベントをご紹介します。また、版画技法についても簡単な説明をしています。

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『木版画』カテゴリーの投稿一覧

硬さに立ち向かう!

◆未公開写真シリーズ◆
先ほどご案内した二階先生の授業<2回生・木口木版画>の様子です。


丁寧に下準備した木口木版用の版木(授業ではカバの修整材<硬い部分を合わせて作った木材>を使用)にビュランと呼ばれる彫刻刀でイメージを彫ります。

ビュランとっても細いラインを彫りたい時専用の道具木口や銅版で使います。<8/25にUPしてます>

最初はビュランに慣れない上に硬い木は彫りにくいのですが、(女の子はちょっと扱いづらいかも?)
硬さのおかげかなりの細さのや細かなも彫った部分の際が崩れずシャープな仕上がりになります★★
(少し太いラインを作りたい時は彫刻刀の先の細いものを使ったりもします)

油性インクをローラーでのせて

和紙に摺ります。
雁皮紙(繊維が細くて短いので緻密で緊密な紙)に摺る場合もあります。

ベアリングバレン(回転式のスチールボールで圧をかける)などをつかう。

バレン+手を使ったりもします。

様子を見ながらまた彫り進めます。

一度付いたインクを何度か紙にとり、そのあとはガムテープでインクを拭き去ります
ちょっと意外かもしれませんが油性インクにはコレが結構☆有効☆ 

7/24,6/22のブログもあわせてどうぞ>

馴染みの

昨日は衆議院選挙でしたね。
今回は話題性もあったせいか投票率も高かったようですが、有権者の皆さんはいかれましたでしょうか?

今日は東洋・西洋で最も古く、そしてきっと日本人にとって親しみのある版画

♦木版画♦の道具を紹介します。
中でもより馴染みのある水性木版画に使うものをご紹介します。

木版は凸版画の代表です。

でっぱている所に絵の具をのせて紙に刷る訳です。(機械を使って木版凹版もできます)
版は当然“木”ですよね。
年輪に沿って切った板目と年輪が見える面を使う木口がありますが、使いやすさからも板目の方が一般的。
版木の種類も様々ですがシナベニヤと呼ばれる合板が多く使われてます。

♢彫り道具♢

彫刻刀:手前から平刀(削った部分をこれで滑らかにしたりもできる)丸刀三角刀切出し(イメージに沿ってこれで切り込みを作っておくと残したい所まで削ってしまった!等の失敗が少ない)。平ノミ、丸ノミ

細かな部分は彫刻刀で用途によって刀の形で使い分けながら彫り、
ノミ類は大きな面の処理に使います。

作業台机にセットし、この上で彫り進めていく。ストッパーがあって版木を固定できて使いやすい◎(中央の三角のへこみも版木を斜めにした時によい◎)
奥は砥石:彫刻刀が削りにくくなったらこれで研ぐ。

絵の具は水性油性どちらもできますが、
これは水性用の顔料:粉末状の絵の具で大学ではだいたいコレを水で説いて使ってます。
市販の水性絵の具でもOK◉

紙は和紙を使います。楮や三椏、雁皮(がんぴ)などなど種類

細かなタッチが特徴

2回生が取り組んだ木口木版の作品を紹介します★


↑合評会の様子
一つ一つの作品サイズが小さいので全員の作品を大きなテーブルに並べての講評会となりました◉

木口木版の作品ペン画の作品です。

凸版だけではないのですっ☆

木版画というと、板目木版の凸版(彫刻刀などで彫った部分が白くなり、彫り残した部分にインクがつくというもの)がメジャーですが、
板目木版の凹版(彫刻刀などで彫った部分にインクがつき、彫り残した部分が白くなるという、さっきと逆もの)というのもあります!
更に、水性と油性があります。
今日は水性凹版画のレクチャーの様子をお届けします。

板に彫刻刀などでイメージを作る

その後、紙の色がハッキリ出て欲しい所にニスなどを塗ります。
(↑木の色が見えてる所にはニスが塗ってあり、黒い部分には塗ってありません)
次に顔料をのせます。

ブラシで顔料をまんべんなくのばす
(彫った部分にインクを詰めるよーに)

スキージー彫り残した部分にのってるインクをとりさる

プレス機で刷る。

◇◆できあがり◆◇
(注:デモ用なので特別なイメージではありません)
レクチャー後、この技法を利用した作品が出てくるのを楽しみにしてます♪♪♪

美味しいとこ取り

◇木版リトグラフ◇
のレクチャーが牧野ゼミで行われました。
木版なのにリトグラフ?と思われるかもしれませんね。
どういう事かというと、版は木を使います。
それにソリッドマーカー<強力な油性の性質でクレヨンのようなもので文房具屋さんなどで売ってます>で描画し、手描きの風合いに、プラス、彫刻刀で彫りの要素を加える事ができます。
刷り方はリトグラフの油と水の反発生を利用します。(インクは油性)
プレス機は銅版や木版用を使用
でも、色々注意点があります!

まず描画はソリッドマーカーか解墨を使います。(リトクレヨン・ダーマトグラフは使用できません!)

その後、明晩と膠を溶いた液体を塗ります。コレで版木を油性分に反応する性質に変えます。
次にアラビヤゴム(アラビアゴムノキ等の植物の樹皮の傷口からの分泌物)を塗り時間をおきます

の時には塗ったアラビヤゴムをスポンジで拭き取りインクをローラーで転がす描画部分だけにインクがのります
このとき乾くと描画部分外にもインクが付いてしまうので水分量には気を付けて!

インクが付いたら紙を置いてプレス機でぐるんぐるん回します!

どれどれ、刷りはどうかな?

こんな具合!まずまずの出来ですね♪
1回目の様子を見て2度目の刷にいかしていきます⦿

細かい作業となります

木口木版画の授業が始まってます。
木口というのは年輪が見える部分です。
板目に比べるととても硬く彫るにも時間集中力も必要となってきます。
固さを利用して、細い線や点でも表現することができるので繊細緻密な作品が作れます。
版木はサクラやツバキなどの固い木を使います。
授業ではカバの修整材(良い所を寄せ集めたもの)を使用。

先生にどちらの面が適してるかチェックしてもらい、

ニスを塗り、

ペーパーヤスリ磨いてツルツルにします。


この日、先生の版で刷り方のデモが行われました。
うまく刷れた?

担当二階 武宏先生(非常勤)
今年もよろしくお願いします!

こんな方法もあります

◇パズル技法◇
油性凸版のひとつです。
版木を自由なイメージに糸ノコギリなどで切り抜きそれぞれにインクをのせ、刷るといものです。
今回はデモ用なのでイメージ全体を切り抜いた後、それらを合わせたものになってますが、
イメージの一部にだけ、こういった切り抜きの形を加える使い方もできます。
版木はシナベニアを使いました。

まずはインクローラーでのせます。
全てにインクをつけれたらプレス機で刷ります。
この技法はバラバラの版木全てを一気に刷り上げるのでに水性だと時間差でインクが乾いてしまう為、基本は油性限定です。

出来上がり★


↑板を切って合わせてるので、その部分はどうしても隙間ができてしまいます。なのでこのようにイメージの形と形の間に白い箇所(紙の色)が生じるのが特徴的です。