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自己紹介

京都精華大学 版画コースのブログです。 版画コースの授業やコース関係者の展覧会情報、様々なイベントをご紹介します。また、版画技法についても簡単な説明をしています。

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『木版画』カテゴリーの投稿一覧

'09の出来事 

今日から‘仕事始め’という方も多いと思います。
本学は明日5日から授業再開です。

皆さん、お正月は如何でしたか?
下宿している学生は実家に帰って久々にご家族や地元の友人とゆっくり過ごせたでしょうか?
特に遠方からきている学生達はのんびりできたかな???

本日は09秋にありました
☆✯大阪信愛女学院高等学校の生徒さん✯☆との

  模擬授業(高校生が大学に来て、実技授業を体験するというもの)の様子をお届けします。
場所はもちろん版画コース。@プレゼンテーションルーム
指導講師は牧野先生
授業内容はかた〜い木を輪切りにした版を彫る木口木版画
信愛女学院高等学校を卒業し、版画コースに入った学生がアシスタント♧
懐かしい高校時代〜を振り返りながら後輩達楽しそうに談話しています❤
高校の先生模擬授業に参加☆
みんな集中して制作してます。
いよいよ版を摺ります☝とても楽しみです♬
♛出来上がり♛
みなさんはじめてとは思えないできばえでした!

組み合わせる

今日は木版画の技法を2つご紹介します。
⓵<彫り進み法
木版画制作の場合、版の作り方には大きく別けて2つあります。
一つは色毎に版を分ける分解法版木が何枚か必要となります。
もう一つは一つのイメージを刷ったら、更に彫りを加えて刷るという工程を繰り返して作る彫り進み法

この方法だと一度彫ってしまうと元には戻れないのですが、版木が一つなのに何枚も重ね合わあせたように見えます。

エディション(同じものが沢山ある状態)が欲しい場合は、
最初のイメージを彫ったら、欲しい分だけ刷っておきます。


イメージを作って一度刷ったら、また彫る。
先程刷った紙に刷り重ねます
色は自由に使えます。
そしてまた彫る。
で、2回摺り合せた紙にまた摺り重ねる。

完成まで、これを繰り返す訳です。


彫り進みは版木を見ると一番最後に彫った状態が残ってるので
⬆のように前のイメージが無くなった???となりますよね。

でも


紙の上では確実に一回一回作ってきたイメージが重なり合ってます✧✦✧
ちょっと不思議に思うかもしれませんね。

それから、彫り進みだとずっとその方法でないといけないという事ではありません。
分解法と彫り進みを✧融合✧してももちろん良いのです✯

⓶<パズル法
版木を刷りたいイメージのカタチにのこぎりなどで切り取り、
切り取った版毎に色をのせて、
それらを合わせて刷るというもの。


これはひとつずつインクをのせてから一気に刷ります。
なので、水性では乾燥してしまうので、基本は油性です。

今回のデモではラワンベニア板と言って、木目がくっきり出てくる合板を使いました。
シナベニア板(合板)にすると、木目が出ない刷り上がりになります。
order="0" alt="" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5413937816108678306" />
⬆版木に一部セロハンテープを貼って、インクをのせてから、一度余分なインクをふきとり刷るという凹版刷りにしました✯
セロテープのように厚みの薄いものでも凹版刷りだとこんなにしっかりしたイメージになるんですね
✦スゴい✦✦

デモでは一枚の版木を全部カタチに切って、それらを合わせてますが、
全体のイメージの一部にだけパズル版を入れて✧融合✧してもOKです!

そんな感じに色んな技法を組み合わせてイメージ作りをすると、
「えっ、これどんな風に作ってるの?」
と、一つの技法ではなかなか出せない、イメージの絡み合いがおもしろい作品になりますね♚

✪新兵器登場✪

今日も☁雨が降ったり☂止んだり☁
パッといない天気ですね〜。この雨で沢山の落ち葉ができそう。

ヴゥーン・ブーンン、ヴゥーーーーーン
と版画コースに響き渡る音♩
なんだろう!?
教室に入ると

彼女が持ってる彫刻刀
何だか大きい⦿
持ち方もいつもと違う⦿

コレは

木版画の隠れアイテム “ 電動彫刻刀 ” だ!

でも大げさのものではありません。
広い範囲を沢山彫る時、時間も掛かりますし、手,指が痛くなります⤵⤵
ちょっとした油断で刃が走ってしまって肝心なところまで彫ってしまった!
なんてことも。
そういう時のお助けマンですね➹➹➹
木版画以外にも使えますよ✌

しばらくして音がしなくなったな〜と思って覗いたら
彫り疲れて寝てましたzzz

あつ
シャッター音で起きた。

そしてまた版木に向かったのでした。
4回生、疲れで✚ケガしないよーにね✚

1回生の教室でも

zzz

おやすみ〜

♢♦最終日♦♢

あっという間に11月最後ですね。
そして、1回生木版基礎、2回生シルクスクリーン,銅版の授業も最終日です▲▼
イコール ✸大合評会✸ です!
その模様は後日お伝えさせて頂きます。

今日は1回生・木版基礎の第2課題、多色摺りの様子をご紹介します。

多色摺り、要するにカラー木版画
↑<ぼかし摺り>のレクチャー。
ぼかし摺りは、大きく別けて片ぼかし、つけ合わせぼかしがあって、
片ぼかし:ぼかしたい1色と水でグラデーションさせます。
つけ合わせぼかし:ぼかしたい色を2色でグラデーションさせます。片ぼかし以上に気を遣います。
どちらも版木の上でグラデーションには丸刷毛や手刷毛(木版の摺で使う刷毛)を巧みに使い行います。
ぼかしは単色で摺るよりずっと難しいのです。

❖他にも一文字ぼかし、大ぼかし、当て無しぼかし、中段ぼかし、ムラぼかし、などなど
言い方を変えたり、ちょっとした違いがあるようで種類が豊富♕

ぼかし摺の後、最後に主版(イメージの大きな構成を左右する輪郭のような版の事)を摺り上げた直後。

川端先生の版木。
多色の場合、一版で、色分けして摺る事もできますが、(一版多色)
このように、色毎に版を別けて作り、刷り重ねていく場合もよくあります。(多版多色)
中でも色毎に版を別けて製版する事を<分解法>と言います。
主版を基準に色分けして製版する(絵全体に輪郭線がある感じ)場合を<主版法>と言います。浮世絵はコチラになります。

先生の作品も沢山見せてもらいました。



ドライラック(乾燥棚)にいっぱい❂❂❂
この時はまだ色や彫り具合などのテストでもあったと思います。
もしくは完成すると、何枚か同じように摺る(エディション制作)学生もいると思います。
提出作品はまた今度。お楽しみに〜❦

リサイクル

□■勤労感謝の日■□
皆さん、如何お過ごしでしょうか?
今日は3回生の後期中間合評会が行われてました。
作品紹介をしようかと思いましたが・・・明日にします。

以前、牧野ゼミでレクチャーがあった<はこびの作り方>をご紹介します。
はこびとは?
木版画でといた絵の具を絵皿から本版木の上に持っていく為の竹製の筆。
絵筆でも代用できますが、コレの方がより絵の具をたっぷり含ませることができる。

竹皮を使います。
今回は新しい竹皮でなく破れた本バレンから作る事にします。
エコです!

木工用ボンドを竹皮につけて

木の棒に巻きつけていき、

凧糸でしっかりくくりつけます

毛先を針やカッターでとかし、筆状にする。
細かい程絵の具を含みやすいそうです。

簡単なので、ぜひチャレンジみて下さい!

※作り方は場合によっても変わりますし、個人差もあります。

墨の香りがします

1回生木版基礎の進行状況をお伝えします。

摺りのレクチャー

作業の段取り・行程を聞きます。注意点に気を付け、それぞれに進めていきます。

まず、和紙の準備をします。
水分をたっぷり含ませた新聞紙に一枚づつ挟んで、ビニールシートで覆い保湿。
暫く置いておくとしっとりとした状態になります。
それができたら版木に色(墨)をつけます。

墨をいきなりのせたら版木が全て吸ってしまってますから、
先に版木を水で濡らします
また片面だけに水分を与えると版木が反ってしまうので両面濡らします
(裏側は摺る際の版木の滑止めにもなります。)
墨をのせたら、円を描くように刷毛で全面に均一にのばし最後に水平に動かしならします。

摺る時にイメージがセンター且つ紙に対してななめに摺れたりしないように
見当と呼ばれるL字の木を版木にセットする。
多色の時には版がズレない為にも必ず必要となる物です。

ディスクバレン(プラスティック製の本バレンの代用品)を使ってます。

バレンを置いたら見当は外します。
和紙が摩れてモケモケにならないように当て紙をひきます。
ココでもバレンは円を描くように動かし紙に絵の具を染込ませます。

沢山摺れてきました。

摺ったら様子を見て、彫りを加えたりもします。
墨だけの場合糊を足して摺るのでは特にベタ面(彫りのない広い面)の出方がかなり変わります。
バレンの強さや指を使っても変化がでてきます。
色々試して作品に仕上げていきます。

この授業も担当教員は2人。 style="font-weight: normal;">もう一人の先生は牧野先生です。

随分寒くなって来ましたね。
4回生の卒制や3回生の合評会が近くなり夜遅くまで制作している学生達が増えてます。
風邪と帰り道にはくれぐれも気を付けて!!

凸版の代表

版画の中でもきっと一番よく知られている版種といえば

木版画ですよね。

1回生がその木版画の基礎授業に入ってます。
墨によるモノクロ作品多版多色作品とを制作します。
2つとも水性です。

一つ目:一版白黒作品

まずはクロッキー、ドローイング、アイデアスケッチなど、
そしてエスキース(作品の構想を固める時、スケッチやクロッキーをもとに、全体の構図、配色などを決めるためのもの)をします。

決まったら版木に描き写し

彫ります♦♦♦

エスキースも含めてですが、
だいたい6種類の彫刻刀(丸刀,三角刀,平刀,切出刀,丸のみ,平のみ)を使って彫ります。

それらの特性に合わせて彫るなど、
先生に相談しつつ進めてます。

彫った部分が分かりやすいように版全面に薄墨を引きます。

彫刻刀より前に手を置くと危険だから気をつけて!!

担当は
新任川端 千絵先生(非常勤)
よろしくお願いします!!

またこの授業は牧野先生(特任講師)も担当されてます。

技あり*

◆◇本ばれんの包み直し◇◆


本ばれんは竹皮(左:古)、
ばれん芯(右)(竹皮芯によく似た性質をもつテトロン/ナイロン併用素材で編み上げたもの)、
当て皮(中央)(和紙を何枚も重ねて漆塗りをしたばれん芯をおさめる皿状のもの)でできています。

まず新しい竹皮を湿らせ、作業しやすいように息を吹きかけ湿度を加えつつ暖めて柔らかくする

竹皮のスジを適度につぶす
皮が柔らかくなって、広がります。

握る部分以外を切り取る

竹皮の上にばれん芯、当て皮を置き、竹皮を内側に折込んでい

折込めたら握る部分もねじり上げる

できた方をしっかりと押えて反対側も同じ要領で行う。

両方を中心に向かって引っ張り

ひもで縛る
余分にねじった竹皮を切る。

湿らせたタオルバレンを覆ってひもでくくり
形を整え、乾燥
この後、タオルを取って、★出来上がり★
(この
一連の作業は人によって多少差があります。)

初心者には難しい作業で学生にはきっとムリ。。。
ですが、職人さんの手にかかればホントに美しいばれんとして生まれかわります*

ちょっと珍しい♢*◇

先日、牧野ゼミ(3回生対象)◆木版石膏刷り◆レクチャーが行われました。
石膏刷りは昔からある技法なのですがそんなに一般的に知れ渡っていないかもしれませんね。
凹版をプレス機や紙を使わない版画

立体作品としても見せられ、繊細な世界が引き立ち、紙とは違う重量感のあるちょっと不思議な魅力のある手法です★
木版だけでなく銅版やその他にも応用が利くようです◎
○版作り○
まず版木にニスなどを塗ります
ニスが乾いたら彫刻刀などで描画

油性インクをつめます。

余分なインクを寒冷紗(硬くて荒いガーゼのようなもの)で拭取る

版木と同じサイズの石膏を作りたい場合は塩ビ板の上に版木がすっぽり収まる縁を作り
その中にインクののった版をセットします。
版の一部のイメージのみ写し取りたい場合不定形なものを作りたい場合版木の上に直接流すのもOK!
使い方は応用できます。

○石膏の準備○

ココでの石膏は通常立体作品などを制作するものとは違い歯科用の超硬石膏を使用します。
容器に適量の水、石膏を入れ、上下左右に撹拌

版木の上に流し込み、確実に硬化したら剥がします。

硬化を確認し、塩ビ板を曲げると版木と石膏がはずれ
次に、慎重に!版から石膏を剥がしとります。ドキドキ

キレイに刷れてます*゜

この後アクリル絵具や水彩絵具で加筆をしたり、インクが載った面を彫って、石膏の白地を出したりもできます!
なんだか色々できそうでおもしろそう♪
☆版画コースでは池垣教授が銅版石膏刷りでの作品を多数発表されてます☆

◯応用編◯

2回生は先日ご紹介したウォータレスリトグラフ木版画分かれて授業を受けてます。
1回生の時に木版を触ってますが2回生はそのステップアップバージョとなってます☆☆☆
今日はそのレクチャーにお邪魔しました。
水性と油性を学ぶ内のコレ↓は油性凸版

みんなで試し用版木に金ずちで何かの型つけたり、

彫刻刀で彫ったり、でキズをつけたり、テープを貼ったり…
色んなものを使ってどんな風なテクスチャー(物の表面の質感)が出てくるのかをみます。

その次にローラーにインクをつけて
版木に均一に塗れたら
刷ります!

エッチングと同じプレス機です。

横の2つの木は版木と厚みを揃えるためのもの。
<コレは木版ゼミで使ってるものです。>

版を作った時に見えていた感じと刷った後では表情が違います。
「アレはこんな風になるのかぁ」と覗き込んでる図▲

一度目の刷りより2度目はインクが馴染んでより濃く出ます◎

担当坂本 恭子 先生(非常勤)
今年もよろしくお願いします!